企画書は、プロジェクトのスケジュール、予算、目的、目標など、関係者が知っておくべき重要な情報を整理した文書です。本記事では、ただ情報をまとめるだけでなく、関係者の賛同を得て「通る企画書」を作成するための具体的なポイントや手順をわかりやすく解説します。さらに、実際に使える「企画書のテンプレート」もまとめたので、明日からの企画書作成に役立ててみてください。
更新: この記事は、企画書のテンプレートと企画書を作成できるツールに関する情報を加えて、2025年 7月に更新されました。
プロジェクトを動かすには、チーム内の意思決定者や関係者に企画書を提出し、理解と賛同を得ることが欠かせません。企画書はエレベーターピッチのようなもので、アイデアを効果的に伝え、意思決定を促すための重要な文書です。
しかし、ただ思いつきを書き連ねるだけでは、相手の共感や承認は得られません。説得力のある企画書作成を実践し、プロジェクトを確実に前進させましょう。
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企画書は、新規事業や新商品開発の際に作成される文書で、プロジェクトの具体的な内容やスケジュール、予算、目標、目的といった必要な情報を関係者に伝え、意思決定を支援するためのものです。この文書を通じて、関係者の理解と賛同を得ることが重要な役割となります。
イベント企画書の無料テンプレートをダウンロードする企画書作成には次のような目的があります。
外部資金を確保する
会社のリソースをプロジェクトに割り当てる
関係者の賛同を得る
勢いと期待感を生み出す
この記事では、企画書作成の6つのステップや実践的なテンプレートも紹介しています。新しいアイデアをまとめ、良い企画書を作るためにぜひ参考にしてください。
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企画書に似た用語は多く、混同されやすいため、それぞれの違いを押さえておくことが重要です。ここでは、よく混同される「提案書」「プロジェクト憲章」「ビジネスケース」との違いをわかりやすく解説します。
企画書は提案書とも呼ばれますが、業界や企業によって使われ方に差があります。
一般的には、提案書が大まかな方向性やアイデアを示す文書であるのに対し、企画書はより具体的なアクションプランを盛り込んだ詳細な計画書とされています。つまり、プロジェクトを実際に進めるためには企画書が必要となります。
ただし、提案書の書き方は企画書の書き方ととても似ているので、提案書作成にもこの記事を参考にしてみてください。
企画書はプロジェクトの立ち上げフェーズで作成されますが、プロジェクト憲章は計画段階で作られます。この 2 種類の文書の違いは、その目的です。前者の主な目的は関係者を説得することですが、プロジェクト憲章はプロジェクトの目的を定めた参考資料で、企画書が承認されないとそもそも作成できません。
ビジネスケースは企画書の承認後に作成されることが多く、追加資金の確保や経営判断のために、費用対効果やリスクを詳細に分析した文書です。企画書がプロジェクトの立ち上げを目的とするのに対し、ビジネスケースは投資判断の材料として用いられます。
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企画書には 6 種類あります。それぞれに異なる目的があるので、これらの形式を理解しておくと実際に作成する際に役に立ちます。
募集型: これは、RFP (提案依頼書) に応じて送付されるものです。RFP は、プロジェクトの詳細を発表し、適格なチームに入札を依頼するものです。このタイプの企画書では、他の企業と競合することになるため、徹底的なリサーチと説得力のある文章を書く必要があります。
非募集型: RFP のない、つまり誰からも頼まれていない状態で一方的に送る文書です。この場合、他の企業やチームと競合することはありませんが、提案先の関係者があなたを必要としているかどうかわからないため、説得力のある文章を書く必要があります。
非公式: クライアントから非公式に依頼を受けて作成する企画書のことです。これは正式な RFP ではないので、ルールはあまり具体的に決まっていません。
更新: 契約更新書とは、既存の顧客に、契約を延長してもらうために送付します。このタイプの企画書の目標は、チームがクライアントのために生み出した過去の成果を強調し、将来的に成果を生み出せると説得することです。
継続: 関係者にプロジェクトの開始を知らせるために送る文書です。関係者を説得するのではなく、プロジェクトに関する情報を提供することがその目的となります。
補足: 継続企画書と同様に、すでにプロジェクトに参加している関係者に送られるものです。このタイプでは、関係者にプロジェクトの開始を知らせると同時に、追加のリソースをリクエストします。このような文書を使って、関係者にプロジェクトへの貢献度を高めるよう説得しましょう。
企画書に合う口調や内容は、どのような提案をするかによって異なります。プロジェクトの目標に合わせて作成するようにしましょう。
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企画書を作成するには、まず企画書の構成をしっかり組み立てることが大切です。特に規定の書式やフォーマットがない場合は、自分で企画内容を整理し、伝わりやすい形にまとめる必要があります。
ここでは、マーケティング企画書をはじめとするさまざまな企画書に応用できる基本的な 6 つのステップをご紹介します。読み手やターゲットに合わせて内容をカスタマイズしながら、企画の背景から問題点の現状分析、問題解決までしっかり盛り込みましょう。
企画書の最初に配置するエグゼクティブサマリーは、企画の概要と今後の展開を簡潔にまとめた導入部です。関係者に企画内容の全体像を伝え、続きを読み進めてもらうための説得力ある文章を心がけましょう。
エグゼクティブサマリーに含まれる内容は、次のとおりです。
プロジェクトが解決しようとしている問題
その問題に対してプロジェクトが提供する解決策
プロジェクトがもたらすインパクト
これらの項目については、後半で詳しく説明するので、エグゼクティブサマリーでは簡単に触れるだけにしましょう。
このセクションでは、企画の背景を明確にし、なぜこの企画が必要なのかを示します。内部環境や市場環境の現状分析を行い、SWOT 分析などのフレームワークを活用すると説得力が増します。
以下の質問に答えるイメージで記述しましょう。
現状の問題点や課題は何か
これまでの取り組みやリサーチ結果はどうか
なぜ今この企画を実施する必要があるのか
これにより、企画の目的や企画の実施に至った背景が明確になります。
前項で提示した問題に対し、ここでは解決策を示します。プロジェクトのアプローチをより詳細に説明しましょう。
具体的には以下のような項目があります。
プロジェクトのビジョンステートメント
プロジェクトのスケジュール (重要なマイルストーンを含む)
プロジェクトチームの役割と責任
リスクをどのように軽減するかを示すリスク登録簿
プロジェクト期間中に使用するレポートツール
これらの項目をすべて盛り込む必要はありません。プロジェクトスコープに応じて項目を決めるとよいでしょう。このセクションでは、提案した解決策を実現するために必要なことをすべて説明するので、企画書の中で最も長く、最も詳細なセクションとなります。
プロジェクトの成果物を定義することは、プロジェクト企画書を作成する上で重要なステップです。関係者は、製品、プログラム、技術のアップグレードなど、プロジェクトの最終的な成果物を知る必要があります。このセクションでは、関係者が企画書に目を通した際に、自分たちのリソースがどこに使われるのかを確認できます。
成果物を定義する際には、以下の内容を含める必要があります。
プロジェクトの最終成果物または最終的な企画の目的
いつまでに成果物を完成させるかを示すプロジェクトのタイムライン
制作する成果物につながるSMART な目標
プロジェクトの問題点や解決策を示すことは重要ですが、成果物を定義できると、関係者がプロジェクトをイメージしやすくなります。
問題点、アプローチ、ソリューション、成果物の概要が明らかになったところで、取り組みを達成するために必要なリソースについて詳しく説明しましょう。
このセクションでは、以下の内容を記載します。
プロジェクトの予算: プロジェクトの予算には、製品を作るために必要なものから、広告の価格やチームの給与まで、あらゆるものが含まれます。プロジェクトを実現するために必要な予算項目は、ここに記載します。
コストの内訳: このセクションでは、プロジェクトに特定のリソースが必要な理由をリサーチする必要があります。そうすることで、関係者は自分たちのリソースが何に使われているかを理解することができます。この内訳は、予期せぬコストを軽減するのにも役立ちます。
リソース配分計画: リソース配分計画の概要として、必要なリソースをどこで使用するかを説明しましょう。たとえば、プロジェクトを完成させるために 5 万ドルが必要だと判断した場合、その資金を給与、技術、材料などに配分する予定であると説明します。
うまくいけば、この時点で関係者をすでに納得させ、提案した企画内容に賛同してもらっているはずです。だからこそ、必要なリソースを文書の最後に取っておくことは、賢い戦略的行動なのです。
最後に、説得力と自信に満ちた結論でプロジェクトの企画書を締めくくります。エグゼクティブサマリーとのバランスを考え、結論も簡潔にまとめることが重要です。プロジェクトが取り組む問題と、その問題を解決するための解決策をシンプルに示しましょう。このセクションでは、プロジェクトのインパクトも強調できますが、従来のエッセイと同様に、関連のある情報以外は含まないようにして、必要性の高い情報だけを入れましょう。
Asana は、プロジェクトの企画から実施までを一元管理できるワークマネジメントツールです。企画書で示した問題解決のステップを、タスクや進捗として可視化し、チーム全体で共有および追跡することで、企画の成功率を高められます。
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上記の6つのステップを押さえれば企画書の骨格は完成しますが、より関係者の賛同を得て、企画が通りやすくなるためには、伝え方や内容の工夫が欠かせません。以下のポイントを参考にして、説得力のある企画書を目指しましょう。
企画書を書く際には、オーディエンス (=関係者) のことを常に念頭に置きましょう。この文書の目的はプロジェクトの詳細を提示し、オーディエンスを獲得することです。そのために、こちらの考え方を押し付けるだけではなく、読み手の立場に立って作成することが、成功する企画書を書くテクニックのうちのひとつと言えます。
たとえば、児童書出版社向けに新しい編集ツールを作る場合、関係者が親であるかどうかを判断し、相手の感情に訴えかけて製品に賛同してもらうのが賢明でしょう。
企画書では、説得力が重要です。なぜなら、読者が企画書を読み、それに応じて行動を起こしてくれるかどうかが重要なポイントになるからです。読者がプロジェクトに興味を持たなければ、あなたを助ける気にはならないでしょう。
たとえば、いくら編集ツールについて説明しても、それが提供する多くの機能、顧客へのメリット、業界へのポジティブな影響について言及していなければ、読者は「なぜこのプロジェクトに関心を持たなければならないのか」と疑問に思うはずです。
企画書は情報を詰め込みすぎると、読み手が混乱してしまい、重要なポイントが埋もれてしまいます。専門用語や業界特有の言葉を使う場合は、必ずわかりやすい説明を添えましょう。
また、長文を避けて短く区切り、箇条書きや見出しを活用することで視認性を高められます。図やグラフ、フローチャートなど視覚的要素を取り入れることも理解を助け、企画の全体像を掴みやすくします。読み手が一目で「何が言いたいのか」を理解できることを最優先に考えましょう。
企画書成功の鍵を握るのは、徹底的なリサーチです。オーディエンスが疑問を抱かないように、信頼できる資料、事例、統計、図表などを用いて、問題と解決策を裏付ける準備をしましょう。提案したプロジェクトを裏付けるリサーチを徹底的に行っていれば、読者を納得させ、もし質問を投げかけられても答えることができるはずです。
「いつまでに何をするのか」「誰が担当するのか」を具体的に示すことで、企画の実施可能性が伝わります。実行計画が明確だと、関係者はスムーズな進行をイメージしやすくなり、信頼感も高まります。曖昧さがなく、現実的なプランを提示することが、企画書の説得力をぐっと強めるポイントです。
企画の目的は「何を達成したいのか」を明確に伝える重要な要素です。具体的で測定可能な目標を設定し、企画が成功したと判断できる成果指標 (KPI など) を示すと、読み手の理解と共感を得やすくなります。
たとえば、新商品開発の企画書なら、「半年以内に市場シェア〇% を獲得する」「ユーザー満足度を〇% 向上させる」といった具体的な数字を盛り込むと効果的です。企画の目的と成果を具体化することで、関係者は企画に対する期待値や投資効果をイメージしやすくなり、承認を得る可能性が高まります。
「承認プロセスがスムーズに進まない」「承認依頼メールを送っても返事がない」そんな悩みはありませんか?Asana では、「承認」を担当者と期日付きのタスク「承認リクエスト」として作成し、プロジェクト計画の一部に組み込むことができます。
スムーズな承認フローシステムを構築する方法読み手に納得してもらえるような企画書を作るために、以下のようなフレームワークを使いましょう。企画書の作り方で一般的に人気にあるフレームワークは以下の 3 つです。
具体的な企画の内容やゴールを整然と明記するために有効なフレームワークです。以下の項目に答える形式でまとめていきます。
Who: 誰が実施するのか (主体となるチーム、ステークホルダー)
What: 何を実施するのか (目的や成果物、企画内容)
When: いつ実施するのか (時期やスケジュール)
Where: どこで実施するのか (場所やプラットフォーム、市場)
Whom: 誰に実施するのか (ターゲット)
Why: なぜ実施するのか (課題や背景、現況)
How: どのように実施するのか (手法や方法)
How much: いくらで実施するのか (予算、コスト)
3C 分析は、Company (自社)、Competitor (競合)、Customer (顧客) の 3 つの要素を分析するフレームワークです。外部環境分析が可能なこの 3C 分析は、現在自社が置かれている状況を把握するために用いられます。
自社の強みや弱み、顧客のニーズ、競合他社の動向を分析し理解することで、市場環境を把握し、競争力を高めるための企画を立てることができるでしょう。企画書を作成するときも、3C 分析に基づけば、説得力のあるものができあがります。
SWOT 分析は、Strengths (強み)、Weaknesses (弱み)、Opportunities (機会)、Threats (脅威) という 4 つの要素を分析するフレームワークです。自社やプロジェクトの内部要因と外部要因を考慮する子のフレームワークを使えば、自社の有利な環境や、逆に不利な要素などまでを整理して提示できます。
企画書の完成度を高めるためには、適切なツールの活用が重要です。用途や目的に応じて選び、企画内容を効果的に伝えましょう。
パワーポイントは、企画書をプレゼン資料として作成する際の定番ツールです。視覚的にわかりやすく、グラフや図表、画像や動画を自由に組み合わせられるため、情報の整理や訴求力を高めるのに適しています。アニメーション機能やスライド切り替え効果を使うことで、聴衆の注意を引きやすく、説得力あるプレゼンに仕上げられます。
また、豊富なテンプレートも用意されているため、効率的に美しい企画書を作成可能です。作成する際は、フォント選びも重要なポイントとなります。読みやすさや企画の印象を左右するため、用途に合ったフォントを適切に選択しましょう。
Word や Google ドキュメントなどの文書作成ツールは、詳細な企画書や事業計画書を作成する際に適しています。文章中心の企画書を体系的にまとめやすく、見出しや箇条書き、表の挿入も簡単です。共同編集ができるため、チームでの企画書作成や修正にも便利です。こちらもフォント選びは重要で、読みやすくプロフェッショナルな印象を与えるフォントを選ぶことで、企画書全体の質が向上します。
Asana などのワークマネジメントツールは、企画書作成後の実施計画やタスク管理に活用できます。企画書で示した具体的なアクションプランをチーム全員で共有し、担当者ごとの役割や進捗をリアルタイムで確認できるのが強みです。これにより、企画の実施段階でのコミュニケーションが円滑になり、プロジェクトの成功率が向上します。
仕事を最大限効率化し、チームの生産性を上げるためには、Asana のプロジェクトマネジメント機能をお試しください。日々の業務と目標をつなげ、「誰が・何を・いつまでに行うのか」を可視化します。
どんなに優れた企画書でも、作成に膨大な時間をかけてしまっては効率的とは言えません。プロジェクトごとに独自のポイントはあっても、企画書の基盤となる構成や必須項目は共通していることが多いです。そこで、テンプレートを活用して効率よく作成しましょう。
イベント企画書の無料テンプレートをダウンロードするまた、あらゆる仕事を組織レベルで管理できるワークマネジメントプラットフォーム Asana では、カスタマイズしたテンプレートを作成することができます。企画書のテンプレートも作成して、有効活用してみてください。
プロジェクト立ち上げテンプレートを作成する企画書の書き方と 6 つのステップ、書くときのコツを紹介しました。新しいことを始めるには、まずそのアイデアを関係者に示し、新規プロジェクトとして承認してもらわなければなりません。解説したテクニックも参考にして、その第一歩となる企画書を説得力のあるものに仕上げましょう。
優れたプロジェクト提案書や企画書には、チームのコラボレーションが必要です。適切な管理ツールやグループウェアを使用すれば、チームはコミュニケーションをとり、情報を共有し、1 つの共有文書で共同作業を行えるので、おすすめです。
プロジェクトの情報を一箇所にまとめておけば、必要なときに簡単にデータにアクセスすることができます。企画書は、よく整理され、適切に計画されたプロジェクトから生まれます。効果的に作成するなら、プロジェクト管理ソフトウェアを有効活用しましょう。
Asana なら、企画書をテンプレート化することで生産性と効率性を上げることも可能です。過去のノウハウを応用し、それをベースにすれば、デザインや盛り込む内容に毎回四苦八苦しないで優れた企画書を仕上げられます。
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